2010年 10月 14日
初めてルアーフィッシングの話しをする相手に必ず聞かれるのは、「いつもどんな所に行くのですか?」 つまりどんな魚が対象なのかということ。 そんな時僕は決まって「本流レインボーです」と答えている。 道北の本流のレインボーは、どうやら僕が今まで出会ってきたレインボーとは少々違うようだ。 サイズだけの問題ではなく、パワーが明らかに違う。 そして持久力も勝っているように感じる。 そんな訳で代休だった火曜日、しっかりと準備を整え一人道北の本流へと向った。 僕が気に入っている5gスプーンに付いてくるフックは、サイズは良いのだけれど強度に不安が残る。 先週のように悔しい思いをしないために、フックはサクラマス用のものに交換しスイベルはワンサイズUPした。 ラインは今までのもので問題がないと思うけれど、念のため新しいものを100m巻いた。 そして思い切りフッキングしたときに、ドラグが程よく効きながらスムースにラインが出て行くよう調整しなければならない。 先週のようなビッグレインボーに出会えることを夢見てキャストを繰り返す。 3度目になる最初のポイントでは、メタリックシルバーが眩しいほどに輝く45cmのレインボーに出会えた。 嬉しくないはずはないのだけれど、ビッグレインボーとのスリリングなやり取りは、まったく麻薬みたいなもので、一度味わってしまうとついついまたそれを望んでしまう。 そんな僕の欲張った気持が伝わってしまったのだろうか、2番目のポイントでは20cm代のまだ薄っすらとパーマークが残るレインボーが顔を覗かせてくれただけだった。 3番目のポイントに着く頃には、どんよりとした雨雲が空を覆い始めた。 一気に辺りは暗くなり、偏光レンズを通して見る景色は日暮れのようだ。 これまでワンポイント一匹のペースだから、ここでも一匹出会えたらなぁ、などと思いながらキャストを開始した。 そして間もなく、今日のために準備をしてきたことが試される時が来た。 一瞬グンとティップが水面に向く、僕は反射的にロッドを立て合わせる、ジィーーーー。 弧を描いたロッドに装着されたリールからは、ドラグ音を響かせながらラインがどんどん出て行く。 握ったロッドの感触から、グッドサイズであることが確認できる。 多分20mから50mの間を、何度も近づいては走るということを繰り返した。 10分以上の時間がたったと思う。 その間、僕はいろいろなことを考えていた。 またスイベルが伸びてしまわないだろうか、フックも伸びないだろうか、今日一度だけやってしまったバックラッシュでラインはキズついていないだろうか・・・・・・・・ そんなことを心配しているうちに、走る距離が徐々に短くなっていることに気が付いた。 少しずつ下りながら魚との距離を縮める。 50mほど下っただろうか、僕は意を決してロッドを立て魚を引き寄せた。 一瞬鮮やかなレッドバンドが目に入る。 先週逃げられてしまったレインボーほどではないけれど、なかなかのグッドサイズだ。 2度目のトライでようやくネットイン、その場にへたり込んでしまった。 体長だけで言うなら、僕が今までキャッチした最長のものと同じだけれど、そのパワーときたら間違いなく最高のものだった。 本流レインボーとは、こういうものを言うのだろうか。 #
by abu-z4
| 2010-10-14 21:33
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2010年 10月 06日
今年も9月から2月まで土曜休日は無い。 なんだか余裕の無い日が続いている。 毎週日曜日には釣りに出かけているけれど、いつもの仲間となかなか顔を合わせる機会が少ない。 そんな訳で、ブログの更新も暫くお休みしてしまった。 original photo by Mr.naka 濁り覚悟で十勝川へ通っているうちに、仲間の釣りはすっかり進化してアベレージ50の世界になっていた。 僕も遅ればせながら、10数匹目のドジョウを求めて道北の本流へと向う。 毎回レインボーは姿を見せてくれるものの、アベレージサイズまでには至らない。 それでもサイズからは想像できないほどのパワーを感じさせてくれるここのレインボーは、僕を十分楽しませてくれる。 original photo by Mr.shu original photo by Mr.shu 念願のアベレージサイズに出会えぬまま、9月最後の日曜日となってしまった。 偶然shuさんYunさんと都合が合い、久しぶりにご一緒できることになった。 当然のように彼らがアベレージサイズを上回る中、パワフルでメタリックシルバーに輝く美しいレインボーだったけれど、僕はやはりアベレージには届かなかった。 そして先日の10月最初の日曜日、僕はいつものロッドよりも少しパワフルなロッドを携えて道北の本流へ向った。 1投目の出来事。 二つの流れが交わる瀬尻に5gスプーンをキャストし、ややラインを送り込み沈ませスプーンを流れにのせた。 グンと小さなバイトを感じたので、ロッドに軽くアクションを加えた直後、猛烈な勢いでリールからラインが引き出された。 一瞬、水面で暴れるシルバーのビッグレインボーの姿が目に入る。 僕の心臓の高鳴りは、相当なものだったはずだ。 それでもその後は、時折ジジジッとドラグ音を響かせながらも魚は近づいてくる。 後10m程になると、また強烈なパワーでラインを引き出し走り出す。 そんなことを何回か繰り返していた。 その時もまた残り10m程だった。 ドラグをこれ以上締めこむのは、フックやラインのことを考えても危険だと思った。 グイグイグイとロッドを揺らしていたのがフッと軽くなった。 リトリーブするハンドルには、何の抵抗も感じない。 ラインが切れたと思った。 やがてラインの先についている小さな黒い物体を見て唖然としてしまった。 その後気を取り直してキャストを続けた結果、念願のアベレージサイズに出会うことはできた。 それは勿論嬉しいことだ。 だけど朝一番のあのパワーを知ってしまった後では、心から喜ぶことが出来ない自分がいることも正直なところだ。 いつの日かまた、あんなレインボーに出会える日が来るのだろうか。 #
by abu-z4
| 2010-10-06 22:03
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2010年 09月 06日
土曜日は、「horiさんの日」と言っても過言ではなかった。 僕も小さいながらも5匹のレインボーと1匹のオショロコマに出会えたのだから、決して悪い釣りではなかったと思う。 何しろ土曜日の十勝川ときたら、台風の影響が色濃く残り、濁りがきつくて今までで最悪の状態だったのだから。 僕たちの予想を遥に上回る悪条件、濁りが少しでも薄まる上流部へと移動する。 こんな日は、大きさなど関係なく一匹でも鱒に出会えればラッキーだ。 それは、2番目に入ったポイントでの突然の出来事。 horiさんのロッドが、強烈な曲がり方をしている。 その後姿には、ランディングネットが見当たらない。 きっと彼にとっても予想外の出来事だったのだろう。 僕は急いで彼の元へ駆け寄り、普段は左手で握るランディングネットを、右手でしっかりと握り締めた。 緊張のせいか1回目は上手く行かなかったけれど、2回目には綺麗に頭からランディング成功。 僕の右手にズッシリと重量感が伝わってくる。 なんという体高のレインボーだろう。 サクラマスでもこれほどの体高のものは珍しい。 測ってみると53cmの全長だったけれど、このまま60cmの全長だとしても、全くバランスがおかしくないほどの体高なのだ。 僕はしっかりと彼の手を握り祝福をした。 そして素晴らしいレインボーを前に、少し足が震えるほど感動した。 しかも土曜日だというのに、僕たち以外に釣り人など何処にも見当たらないほど悪条件の中での出来事なのだから「素晴らしい」の一言に尽きる。 これでお終いにしてもまったく問題がないほどの満足感に浸りながらも、もっと釣りたくなるのがアングラーの性。 反応の鈍くなったこのポイントに見切りをつけ、目指すは濁りが少ないであろう支流部。 急激に水位が落ちたせいか、魚の反応は渋い。 それでも時折スモールサイズのレインボーが姿を見せてくれる。 そして、帰りの時間もそろそろという時、僕の上流側の中洲に立つhoriさんのロッドがまたもやグンニャリと曲がっている。 かなり流れのきつい瀬にラインが突き刺るように伸びているのが確認できるけれど、僕の立つ中州からは移動することが困難だ。 でも今度は、彼の背中にもしっかりとネットがぶら下がっている。 僕は暫し彼のやり取りを見物することにした。 随分と手こずっていたようだけれど、なんとかランディングできたようでホッとする。 後から聞いてみると43cmのレインボーだったと言う。 まったく土曜日のhoriさんときたら、この上ない素晴らしいアングラーだったと思う。 滅多に感動しなくなった僕だけれど、この日ばかりは感動せずにいられなかった。 「どんな条件でも決して諦めてはいけないんだ」なんて、帰りのクルマの中でちょっと照れてしまうような台詞をはいてしまう僕だった。 #
by abu-z4
| 2010-09-06 21:09
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2010年 08月 29日
いつもの仲間のほとんどは、知床へ向った。 仕事の都合が付かず居残り組となったhoriさんと僕は、土曜日の行き先を相談した結果、天塩川を上流部から徐々にポイントを探りながら下ることに決めた。 以前に訪れたことのあるポイントもあれば、2人にとって全く初めてのポイントもある。 踏み込んだのは良いけれど、熊の足跡に恐れをなして魅力的なポイントを諦めたり。 特に決まり事もなく、気の向くまま気の向いたポイントでキャストする。 そんな気楽さがとても心地良い。 小型ではあるけれど、どのポイントからも何らかの反応があり、僕たちを退屈させない流れが続く。 橋の下で一休みしているうちに、ちょっと眠ってしまったようだ。 気が付くと、到着した午前5時に15℃前後だった気温は、お昼頃には25℃を超えるほどに上昇し、川に立ち込んでキャストをするだけでも気持ち良い。 ランチの前にhoriさんお勧めのポイントに入った。 次から次へとレインボーを掛けてhoriさんのロッドは大忙し。 そんな姿を横目で見ながらキャストを続ける僕は、全く反応を得られないことに少し焦りを感じていた。 気分を変えて、いつもは使うことの少ないグリーン系のスプーンを繋いでみる。 コロコロと川底を転がりながら、ルアーは僕の真っ直ぐ下流側に流れてきた。 ゆっくりとリトリーブを開始した瞬間、押さえ込むようなアタリがハンドルに伝わってきた。 一気に下流へと魚は走り、リールからはジージージーと心地良い音が鳴り続ける。 弱目に調整したドラグ、しなやかなグラスのロッドティップ、そしてロッドを低く寝かせることで水面で暴れジャンプしようとする魚をなんとか鎮めことができた。 十分に時間をかけ慎重にランディング。 original photo by Mr.hori ネットに収まったのは、右側のエラと左右の背中に古傷の痕が残るグッドサイズのレインボー。 体高がありヒレは全て綺麗に揃っている。 決して美しいとは言えないその魚体は、百戦錬磨のボクサーのように逞しい輝きを放っている。 痛々しい傷は今や完全に癒え、一切の同情も必要としない真のワイルドレインボー。 傷一つない美しいレインボーは確かに魅力的だが、こんな深い傷痕を残しながらも逞しく生き延びてきたレインボーは、また違った意味の美しさを秘めているように感じた。 #
by abu-z4
| 2010-08-29 19:19
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2010年 08月 22日
まったく先週のオホーツク海といったら、とんでもない荒れ模様だった。 ロッドを振るどころか、持ち歩いていても危険なほどの雷に、そそくさと南に移動するしかなかった。 そんな訳でYunさんShuさんそして僕の3人は、土曜未明、再度オホーツク海のカラフトマスに出会うことを夢見て高速道路を北に向かい走り出した。 目的のポイントへ到着してみると、雲が広がり風が強いものの海はとても穏やか。 穏やか過ぎてライズも見当たらないし気配も感じられない。 original photo by Mr.Shu そんな海を30分ほどただ眺めていただろうか。 ようやくロッドを繋ぎ、Yunさんの後を歩きいつもの磯にたどり着く。 キャストを開始し、おそらく10分程経過した頃、隣でYunさんが冷静に落ち着いた声で「掛かった」と言うものだから首を振ってみると、グンニャリと彼のロッドが曲がっている。 あまりの早さに唖然としてしまう。 まあ、彼にとっては特別なことでもないのかもしれないけれど、さすがに今年初のカラフトマスということもあって、朝日に照らされた彼の顔から笑みがこぼれる。 いつもの事ながら、彼が釣れたからといって自分も簡単に釣れるなどということは考えずキャストを続ける。 結局ここでは、その後誰もカラフトマスからの反応を得られることが無く、徐々に海岸線を南下し移動することになった。 3箇所目のポイントは、河口付近にしては比較的釣り人の少ない所。 出来ればここで今年初のカラフトマスに出会いたいものだ。 時折、カラフトマスの小さな群れの回遊が確認できる。 少しだけ背びれが見えたり、水面に波紋が広がる。 ざわついた水面のやや沖にキャストをし、直ぐにリトリーブを開始すると、グイグイグイと確かなアタリが。 少しだけリールからラインが引き出された後、思い切りロッドを立て合わせたが、すっぽ抜けてしまった。 カラフトマスからの反応は、これが最初で最後となり2度と僕のロッドが震えることも撓ることも無かった。 original photo by Mr.Yun 友人達も反応は良くないようだ。 僕たちはカラフトマスを諦め、久しぶりにモレーナでのんびりとランチをとることにした。 カイエンをたっぷりとふりかけ辛めにしたチキンカレーは、疲れた身体をリフレッシュするのにとても良い。 すっかり元気になった僕たちは、残った時間を天塩川で過ごすことにした。 上流部に位置するここは、もうかれこれ3・4年振りになるのだろうか。 思った以上に水量が多く、流れは速くて強い。 original photo by Mr.Shu こんな流れにラインが取られないようにルアーを沈ませるのはとても難しい。 それでも上手くルアーが沈み、思ったラインをトレースできた時には元気の良いレインボーが顔を出す。 30cmにも満たないというのに、僕の握ったAnglo & Company のSovereign 6'3'をグイグイと気持ちよく曲げてくれる。 ここのレインボーは、強い流れの脇ではなく流芯の岩陰に付いているので、掛かった瞬間から流れの力を味方につける。 もしこんな流れの中で40クラスが掛かったなら、と思うとドキドキしてしまうけれど、そんなことは起こらず帰りの時間が来てしまった。 目的のカラフトマスには出会えなかったけれど、小型ながらもレインボーを釣って喜ぶ僕だった。 #
by abu-z4
| 2010-08-22 21:02
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